愛猫が嘔吐すると、飼い主としてはとても心配になりますよね。
この記事では、猫の嘔吐の原因、家庭でできる対処法、そして動物病院へ行くべきタイミングなど、様々な情報を分かりやすく解説します。
嘔吐物の色や状態、猫の様子から緊急度を判断する方法なども紹介しているので、いざという時に役立ててください。
猫の嘔吐、よくある原因と見分け方
猫の嘔吐には、生理的なものから病気が原因のものまで様々な原因が考えられます。
それぞれのケースの特徴を理解し、適切な対処をすることが大切です。この記事では、心配のないケースと注意すべき症状、そして吐しゃ物の見分け方について解説します。
生理的な嘔吐：心配のないケースとは？
猫は胃の構造上、食べたものを吐き出しやすい動物です。例えば、一度に大量の餌を食べてしまった場合や、早食いをした場合に嘔吐することがあります。また、毛づくろいによって飲み込んだ毛玉を吐き出すのも、猫にとっては自然な行為です。
このような生理的な嘔吐は、嘔吐の頻度が少なく、猫の様子も普段と変わらないようであれば、それほど心配する必要はありません。例えば、月に1～2回程度毛玉を吐き出すのは正常範囲内と考えられます。ただし、嘔吐が続くようであれば、念のため動物病院で診てもらうことをおすすめします。
病気が原因の嘔吐：注意すべき症状
嘔吐が病気のサインである場合もあります。例えば、感染性腸炎、膵炎、腎不全、肝臓病、異物誤飲などが挙げられます。これらの病気は、嘔吐以外にも、食欲不振、下痢、元気がない、体重減少などの症状を伴うことが多いです。
また、吐しゃ物に血が混じっていたり、異臭がする場合は、重篤な病気が隠れている可能性もあるため、すぐに動物病院へ連れて行きましょう。特に子猫や高齢の猫は、抵抗力が弱いため、注意が必要です。
吐しゃ物の色や内容でわかること：茶色・ペースト状、白い泡、水っぽい嘔吐…
吐しゃ物の色や内容も、原因特定の重要な手がかりとなります。茶色でペースト状の嘔吐物は、消化された食べ物であることが多く、食べ過ぎや消化不良が考えられます。
白い泡状の嘔吐物は、胃液が泡立ったもので、空腹時や胃腸の不調が原因であることが多いです。水っぽい嘔吐物は、水分を多く摂取した後に起こりやすく、特に問題がない場合もありますが、腎臓病などの兆候である可能性も否定できません。
| 吐しゃ物の状態 | 考えられる原因 | 緊急度 |
| 茶色・ペースト状 | 食べ過ぎ、消化不良 | 低 |
| 白い泡 | 空腹時、胃腸の不調 | 低～中 |
| 水っぽい | 水分過剰摂取、腎臓病 | 低～高 |
| 血が混じる | 消化管の出血、重篤な病気 | 高 |
| 異物 | 異物誤飲 | 中～高 |
緊急度チェック！こんな嘔吐は要注意
猫の嘔吐は必ずしも緊急事態ではありませんが、中にはすぐに動物病院へ連れて行くべきケースもあります。嘔吐の頻度や症状、吐しゃ物の状態から緊急度を判断し、適切な行動をとりましょう。
繰り返す嘔吐、回数が多い場合
嘔吐が1日に何度も繰り返される場合や、10回以上嘔吐する場合は、脱水症状や電解質異常を引き起こす危険性があります。
特に子猫や高齢の猫は、体の水分量が少ないため、脱水症状に陥りやすいので注意が必要です。短時間のうちに何度も嘔吐を繰り返す場合は、すぐに動物病院へ連絡しましょう。
元気がない、食欲不振、下痢などを伴う嘔吐
嘔吐に加えて、元気がない、食欲不振、下痢などの症状が見られる場合は、何らかの病気が原因である可能性が高いです。
これらの症状は、感染症や消化器系の病気、代謝性疾患など、様々な病気を示唆する可能性があります。自己判断せずに、動物病院で適切な検査と治療を受けることが重要です。
吐しゃ物に血が混じっている、異臭がする
吐しゃ物に鮮やかな赤い血や、コーヒーかすのような黒い血が混じっている場合は、消化管からの出血が疑われます。
また、強い異臭がする場合は、腸閉塞などの深刻な病気が隠れている可能性があります。これらの症状が見られた場合は、一刻を争う事態である可能性もあるため、すぐに動物病院へ連れて行きましょう。
全国の救急動物病院はこちらで探せます
以下のサイトで、救急で診察してくれる全国の動物病院を探すことができます。
- 夜間・救急動物病院マップ: 全国の夜間救急動物病院を地図上で検索できます。現在地から近隣の動物病院を探すことができ、旅行先や帰省先でも利用可能です。
- オトコロドットコム: 全国の救急対応・夜間対応・時間外対応可能な動物病院を都道府県別に検索できます。口コミやコメントも参考にできます。
- アニコム動物病院検索: 救急対応の動物病院を簡単に絞り込むことができるサイトです。犬や猫、鳥、うさぎなど、さまざまな動物に対応しています。
- 101アニマル: 全国の夜間、時間外、救急対応の動物病院を検索できるサイトです。各病院の条件や詳細情報を確認できます。
これらのサイトを利用して、緊急時に対応してくれる動物病院を見つけてください。愛犬や愛猫の健康を守るために、事前にチェックしておくと安心ですね。
家庭でできる応急処置とケア
猫が嘔吐した場合、飼い主としてできる応急処置やケアを学ぶことは大切です。適切な処置をすることで、猫の負担を軽減し、回復を早めることができます。
嘔吐直後の対応：水や餌はいつから与えて良い？
猫が嘔吐した直後は、胃腸が敏感になっているため、すぐに水や餌を与えてはいけません。嘔吐が落ち着いてから1～2時間程度は様子を見て、その後少量の水を与えて様子を見ましょう。
嘔吐を繰り返さないようであれば、少量の消化の良い餌を与えてください。ただし、嘔吐が続くようであれば、動物病院へ連れて行くことをおすすめします。
吐き気を和らげる方法：猫が少しでも楽になるために
猫が吐き気で苦しんでいる様子であれば、安静にさせ、できるだけ刺激を与えないようにしましょう。
部屋を暗く静かにしたり、優しく声をかけたりすることで、猫を落ち着かせることができます。また、獣医師の指示があれば、吐き気止めを投与することもできます。
再発を防ぐための食事管理：消化の良いフードの選び方
嘔吐を繰り返す猫には、消化の良いフードを与えることが大切です。高タンパクで低脂肪のフードや、食物繊維が豊富なフードは消化に良いとされています。
また、フードの粒の大きさを調整したり、ウェットフードに切り替えたりするのも効果的です。獣医師と相談しながら、愛猫に合ったフードを選びましょう。
猫の消化をサポートするキャットフード3選
以下に、猫の消化をサポートするおすすめの療法食を３つご紹介します。それぞれのキャットフードの特徴を簡潔にまとめました。
ベッツワンの消化ケア
- 特徴: ベッツワンは、消化器ケアを目的としたキャットフードで、特定の健康問題に対応するために開発されています。高品質なタンパク質や特定のアミノ酸を含み、科学的に証明された成分が使用されています。
ヒルズの消化器ケア
- 特徴: ヒルズのキャットフードは、消化器ケアを含む様々な健康ニーズに対応するために設計されています。高品質な原材料を使用し、消化吸収が良く、バランスの取れた栄養を提供します。
ロイヤルカナンの消化器サポート
- 特徴: ロイヤルカナンは、猫の年齢、品種、ライフスタイル、健康状態に合わせた豊富な製品ラインナップが特徴です。消化器ケアに特化した製品もあり、高い嗜好性と消化吸収率を追求しています。
これらのキャットフードは、それぞれの猫の健康状態やニーズに合わせて選ぶことが重要です。どれが最適かは、獣医師と相談して決めるのが良いでしょう。
動物病院へ行くべきタイミング
猫の嘔吐は、様子を見ても良い場合もありますが、すぐに動物病院へ連れて行くべきケースもあります。適切なタイミングで受診することで、早期発見・早期治療につながります。
緊急性の高い症状：一刻を争うケースとは？
以下のような症状が見られる場合は、一刻を争う事態である可能性があります。迷わずすぐに動物病院へ連れて行きましょう。
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頻繁な嘔吐（1日に数回以上、または10回以上）
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吐しゃ物に血が混じっている
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強い異臭がする
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意識が朦朧としている
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呼吸が荒い
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けいれんを起こしている
受診前に準備しておきたいこと：スムーズな診察のために
動物病院へ行く前に、以下の情報をまとめておくと、スムーズな診察に役立ちます。
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嘔吐が始まった時期
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嘔吐の頻度
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吐しゃ物の色や内容
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その他の症状（食欲不振、下痢、元気がないなど）
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愛猫が普段食べているフードの種類
猫の嘔吐を予防するために
猫の嘔吐を予防するためには、日頃から食生活や生活環境に気を配ることが大切です。適切なケアをすることで、嘔吐のリスクを減らすことができます。
食生活の改善：適切な量と質のフードを与える
一度に大量の餌を与えず、少量ずつ複数回に分けて与えるようにしましょう。また、早食いを防ぐために、食器を高くしたり、早食い防止用の食器を使用するのも効果的です。フードの質にもこだわり、消化の良い高品質なフードを選びましょう。
毛玉対策：ブラッシングの重要性
猫はグルーミングによって毛を飲み込んでしまうため、定期的なブラッシングが重要です。特に長毛種の猫は、毛玉ができやすいので、毎日ブラッシングするようにしましょう。また、毛玉除去剤をフードに混ぜたり、毛玉ケア用のフードを与えるのも効果的です。
ストレス軽減：快適な生活環境を整える
ストレスも嘔吐の原因となることがあります。猫が安心して過ごせるよう、静かで清潔な環境を整えましょう。また、十分な睡眠時間を確保し、遊びやスキンシップを通してストレスを発散させてあげることも大切です。
猫の嘔吐予防には猫草も効果的
猫草は、猫の嘔吐予防に一定の効果があります。以下にその理由を説明します。
毛玉の排出を助ける
猫はグルーミングの際に大量の毛を飲み込みますが、これが胃や腸に溜まると毛玉（ヘアボール）となり、消化不良や嘔吐の原因となります。猫草を食べることで、胃を刺激し、毛玉を吐き出しやすくする効果があります。
消化を助ける
猫草には少量の食物繊維が含まれており、消化を助ける効果があります。特に便秘気味の猫や消化に問題がある猫にとって、猫草は腸の働きを活発にし、便通を促進する効果が期待できます。
ストレス解消
一部の猫は、猫草を噛むことでストレスを解消することがあります。これは、猫が自然に持つ行動欲求を満たすためです。安全な猫草を提供することで、猫のストレスを軽減し、健康をサポートすることができます。
ただし、猫草がすべての猫に適しているわけではありません。特に胃腸が弱い猫や、過剰に食べてしまう猫には注意が必要です。猫草を与える際は、適量を守り、猫の体調を観察しながら与えることが大切です。
まとめ：愛猫の健康を守るために
猫の嘔吐は様々な原因で起こりますが、吐しゃ物の状態や猫の様子をよく観察することで、緊急性を判断することができます。
家庭でできる応急処置やケアを理解しておくとともに、必要に応じて動物病院へ連れて行くことが大切です。日頃から食生活や生活環境に気を配り、愛猫の健康を守りましょう。
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