療法食名 | 特徴 |
⇒ ヒルズ | ・ヒルズ療法食は、健康問題を持つペットのため開発された栄養バランスの食事で、獣医師の推奨を受けて使用されます。 |
⇒ ロイヤルカナン | ・ロイヤルカナン療法食は、健康問題を持つペットに、栄養バランスが調整された食事で、獣医師の指導のもと使用されます。 |
⇒ 和漢の国産療法食 | ・和漢みらいのドッグフードは、89種の和漢原料を使用し、犬の健康をサポートする国産無添加フードです。 |
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甲状腺機能低下症は甲状腺ホルモンの分泌が不足し代謝が低下する病気で様々な症状を引き起こし、末期になると改善が難しく、クッシング症候群や膵炎や癌などといった合併症を伴います。
この病気は治ることがないと言われていますがちゃんと治療すれば寿命もまっとうできるのでそうそう死ぬこともありません。しかし犬の甲状腺機能低下症は進行が早く初期に治療しないとすぐ末期症状になる怖い病気でもあります。
ここでは初期・末期に分けて症状を解説、原因や治療についても後述します。なお、症状についてはほかの病気と重なるものもあるので必ず獣医の診断を受けるようにしてください。
犬が甲状腺機能低下症になった初期の症状
犬甲状腺機能低下症は治る病気ではないと言われていますが治療しないとどうなるかは、いわずもがなです。早期発見のため初期症状を説明します。
甲状腺機能低下症になると歩き方も元気で食欲も旺盛だった愛犬が、歩き方が変になったり食欲不振で震えたりする症状がみられるようになります。次のような初期症状がある場合ははやめに動物病院へ連れて行ってあげましょう。
疲労感と無気力
甲状腺ホルモンは体内のエネルギー代謝を調節する役割を果たす。初期の甲状腺機能低下症ではエネルギー産生が不足し犬は疲れやすく無気力な症状になります。
食欲不振
甲状腺ホルモンは消化器官の正常な機能をサポートし食欲を調節してます。初期の甲状腺機能低下症では、食欲が低下し犬が食事を拒否することも。
体重の増加
甲状腺ホルモンは基礎代謝を調節し体脂肪の分解を促進する役割があります。犬の甲状腺機能低下では、代謝率が低下し体脂肪が増えるため、体重増加の初期症状が現れます。
皮膚と毛皮の変化
甲状腺ホルモンは皮膚と毛皮の健康を維持するために重要です。犬の甲状腺機能低下症では、皮膚が乾燥してかゆみを我慢し、毛皮が固まり艶が失われることがあります。
関節の痛みやこわばり
甲状腺ホルモンは軟骨の形成や関節の健康にも関わっています。
甲状腺機能低下症犬の末期症状
末期になると改善が難しくなり予後が悪いことも。合併症を併発してることが多く集中的な治療が必要になります。下記に挙げる症状が強く表れるのも末期症状の特徴です。
疲れやすい
・末期まで進行すると少し動いただけで疲れるのでほぼ動かない。
体温低下
・体温調節ができず震えたり寒そうにします。震えが強い場合は末期症状を疑いましょう。
栄養不足
・病気が進行して末期になると、代謝トラブルで栄養を吸収できずエネルギーがなくなるため、元気もなくなり著しい体重減少が見て取れます。
皮膚病
・末期になると、脱毛や膿皮症、外耳炎や感染性皮膚炎など皮膚病が進む。
皮膚病についての詳細はコチラ↓
犬の歩き方が変
甲状腺機能低下症が末期になると末梢神経障害により震えが出たり歩き方が変になったあと、歩行が困難になる。
粘液水腫
顔がむくみ悲しんでいるように見える。昏睡状態になると死に至るリスクがある末期症状です。
心拍数の低下
甲状腺ホルモンが関与するため、心拍数が低下することがあります。
震えや歩き方の変化、皮膚病の症状などは末期症状なので心当たりがあればすぐに獣医師に見せてあげてください。また、後述しますがすでに基礎疾患がある場合も甲状腺機能低下症を発症しやすいので注意が必要です。
犬が甲状腺機能低下症になる原因
次は原因について説明します。甲状腺機能低下症を引き起こす原因は複数ありますが最も一般的なものをいくつかご紹介しますので発症していなければ予防すること可能です。
原因1,自己免疫疾患
最も一般的な原因の1つは自己免疫疾患によるものです。免疫系が間違って甲状腺を攻撃し、甲状腺組織を破壊します。この結果、甲状腺ホルモンの産生が減少し甲状腺機能低下症が発症します。このタイプは、特に中・大型犬でよく見られます。
原因2,甲状腺の摘出手術
腫瘍などの理由で甲状腺が摘出された場合、甲状腺ホルモンの産生が不可能となりこれが原因となって甲状腺機能低下症が発生します。
原因3,放射線治療による合併症
甲状腺に対する放射線治療は、甲状腺組織の損傷をともないます。これが原因となり甲状腺の機能が低下し、甲状腺の機能低下症が発現する場合があります。
原因4,先天性甲状腺機能低下症
まれに、犬が生まれつき甲状腺の機能が低下している場合があります。これは先天的な甲状腺機能低下症として知られており、甲状腺ホルモンの産生に必要な酵素の欠陥や甲状腺の発育不全が原因です。
甲状腺機能低下症を発症しやすい犬種や年齢
甲状腺機能低下症は、特定の犬種に遺伝的に関連していることもあります。例えば、ゴールデン・レトリバー、ドーベルマン、ビーグルなどにも含まれます。また、年齢も関連しており中高齢者の犬にも多く見られます。
犬甲状腺機能低下症と併発しやすい合併症
甲状腺機能低下症の犬は合併症を発症しやすい状態です。また、他の疾患からの合併症として発症することもあります。
合併症1,犬皮膚病
甲状腺ホルモンの不足により、皮膚の表面の角質層が乾燥して皮膚にかさぶた、湿疹、脱毛などの症状が見られることがあります。
合併症2,犬の肥満(低代謝による)
甲状腺ホルモンは体内のエネルギー代謝を調節するため基礎代謝率が低下します。 エネルギー消費が低いため、食事のカロリーが余ってしまい体重が増加し肥満が起こります。
合併症3,犬の心臓病
甲状腺ホルモンは心臓の正常な機能をサポートします。甲状腺機能低下症では、心拍数が低下し、心臓の急激な変化が起こります。心臓への影響により、心臓病の症状が発現する可能性があります。
合併症4,犬のクッシング症候群
クッシング症候群は、副腎皮質ホルモン(コルチゾール)の過剰な産生によって何らかの代謝異常の疾患です。 甲状腺機能低下症とクッシング症候群は、両方とも内分泌系の障害であり、相互に併発しやすい疾患です。
合併症5,犬の膵炎
甲状腺機能低下症では、消化器官の機能が低下し膵臓が消化酵素を正しく分泌できなくなることがあります。 この状態によって食事の消化が阻害され膵炎の発症リスクが増加します。
合併症6、犬高脂血症
甲状腺機能低下症では、脂質(脂肪)の代謝が低下し、血中脂質濃度が上昇することがございます。これにより、高脂血症が生じる可能性があります。
合併症7,犬糖尿病
甲状腺ホルモンは体内のエネルギー代謝に影響を与えるため、甲状腺機能低下症では糖代謝にも影響をおよぼします。
甲状腺機能低下症犬は適切な治療で寿命をのばす
甲状腺機能低下症の治療法は一般的に甲状腺ホルモン補充療法を行うのが一般的です。治ることがないと言われる甲状腺ホルモン補充療法は、不足している甲状腺ホルモンを補うことで、症状の改善と犬の健康回復を促進し投薬を続けながら寿命をまっとうできるようサポートします。
犬甲状腺機能低下症の治療は的確な診断から
一般的な獣医師の診断方法は、まず、問診やカルテなどで病歴や症状の調査を行い、次に、血液検査で甲状腺ホルモンの数値(T3、T4)を測定。
甲状腺刺激ホルモン(TSH)の検査も行われます。甲状腺機能低下症の犬はTSHの値が高い傾向です。しかし、血液検査の数値だけで正確な診断が難しい場合もありますので、獣医師は臨床症状や問診、血液検査お結果を総合的に判断。
必要に応じて甲状腺超音波検査や甲状腺シンチグラフィーなどの画像検査を行うこともあります。ひとくちに甲状腺機能低下症といっても、犬によって原因や症状、年齢や体重などが異なるため診断が確定してはじめて個体の応じた適切な治療が始められるというわけです。
次は治療方法について説明していきます。
甲状腺ホルモン補充薬の投与
甲状腺機能低下症犬には、甲状腺ホルモンである甲状腺ステロイドホルモン(テトライオドチロニン、T4)を補充する薬が処方されます。一般的な補充薬には、レボチロキシン(L-チロキシン)などがあります。これは経口投与薬であり、毎日1回、または必要に応じ、血液検査の数値を見て獣医師の指示に従って投与されます。
経過観察と調整
薬物治療開始後、犬の症状とホルモンレベルを定期的に血液検査の数値をモニタリングする必要があります。 獣医師は犬の反応を評価し、必要に応じて薬の投与量を調整。 最初の数ヶ月は特に注意が必要ですが、通常安定した治療が確立されると定期的なモニタリングの頻度は少なくなります。
継続的な治療
甲状腺機能低下症は治癒することがないというのが一般的な考え方です。 投薬なしで甲状腺ホルモン産生できない犬は生涯にわたって甲状腺ホルモン補充療法を継続することになりますが食事制限も併用すれば症状が改善し寿命をまっとうすることも可能です。
適切な療法食を
甲状腺機能低下症犬は通常代謝が低下しているため、食事管理に特別な注意を払う必要があります。獣医師の指導のもとバランスの取れた栄養と正しい運動を提供することで、犬の健康をサポートします。
獣医師が認める療法食をまとめました※甲状腺機能低下症は膵臓用
まとめ
治ることがないと言われる犬の甲状腺機能低下症ですが、食事制限と適切な治療をすれば、治るまではいかないとしても健康的な生活をおくって寿命を全うした犬はたくさんいます。
繰り返しになりますが症状が進んで末期になると治療も難しいので定期検診を行うなど早期発見に努めましょう。
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