犬腎臓病の症状と原因ガイド:予防と早期治療が長生きの鍵!

獣医の診察を受ける犬の写真 犬の腎臓病について
獣医の診察を受ける犬の写真

犬の腎臓病とは腎臓の機能障害により体内の老廃物を正しく排出できなくなる疾患です。 慢性腎臓病や急性腎障害など複数の種類があります。

初期段階では症状が見られず、進行すると食欲不振になります、体重減少、尿量の変化、嘔吐、無気力状態などが現れますので、なるべく早く見つけてあげることで進行を止めなければいけません。また、腎臓病が進行し腎臓機能が低下した状態を腎不全と言います。

ここではなるべく早く病気をみつけるため、初期症状や中期の症状について説明し、予防ができるよう原因や具体的な予防方法についてもお伝えしたうえで、参考のため一般的な治療方法も紹介します。

腎臓病の種類について

まず、犬の腎臓病にはいくつかの種類がありますので少し説明します。

慢性腎臓病(CKD)

・これは最も一般的な犬の腎臓病で、通常は年齢とともに進行します。CKDは腎臓の機能が徐々に低下し症状は進行性です。尿量の増加や食欲不振、嘔吐、体重減少などが見られます。

急性腎臓障害(AKI)

・急性腎臓障害は、急速に腎臓の機能が損傷する状態で、異常な腎臓の血流や毒性物質の摂取、感染症などが原因となります。症状には嘔吐、下痢、無尿、無気力、腹痛などが含まれます。

腎臓結石

・腎臓結石は、腎臓内で結石が形成される疾患です。これらの結石が尿路を閉塞したり、炎症を起こします。

犬の腎臓病のステージについて解説

病気になった犬のイメージ画像

病気になった犬のイメージ画像

犬の腎臓病は病気の進行具合の目安としてステージ別けされています。まずはそのステージについての解説です。

○ステージ1 (軽度の腎臓病)

腎臓の機能は軽度に低下していますが、まだ比較的正常な範囲内です。通常、この段階では犬に明確な症状は見られませんが、腎臓の機能を維持するために食事や生活環境の見直しが必要です。

○ステージ2 (軽度から中等度の腎臓病)

腎臓の機能が低下し、廃物の排出や尿の濾過が少し困難に。犬は軽度の症状を示す可能性があり、食欲不振や体重減少などが見られることがあります。

○ステージ3 (中等度から重い腎臓病)

腎臓の機能が著しく低下し腎不全となります。体内の老廃物の排出が大きく損なわれている状態。犬はより重篤な症状を示す場合があり、嘔吐、下痢、量の増加、倦怠感、倦怠感などが見られることがあります。

○ステージ4 (重い腎臓病)

ステージ4は末期に位置づけられ余命が短いケースが大多数です。末期になると腎臓の機能が失われつつあり、体内の老廃物の排出がほとんどできず腎不全が進行した状態。犬は重篤な症状を示し、ひどい尿毒症の体重や大幅な減少、無気力状態といった症状が現れます。

ステージ4まで行くと集中的な治療が必須となり余命も短い傾向が強くなり寿命をまっとうできる犬が少ないため、できるだけ早く病気に気づいてあげることが大切です。

早く見つける!腎臓病の初期症状をチェック!

シーズーの元気な写真

シーズーの元気な写真

犬の腎臓病の初期症状は、次のようなものが挙げられます。愛犬の様子をよく観察して、一つでも当てはまる場合は獣医の診察を受けましょう。

食欲不振

・犬が普段の食事をあまり摂らなくなることがあります。 腎臓の機能が低下すると、体内の老廃物が増えて、食欲を低下させるためです。

体重減少

・腎臓が正常に機能しなくなると体内の栄養が適切に吸収されず体重が減少することがあります。

多飲・多尿

・犬が通常よりも多くの水を飲むようになり、それに伴い頻尿となる場合があります。 腎臓の機能低下により尿の濃縮がおこるためです。

嘔吐と下痢

・腎臓の不調によって体内の老廃物が外出できず消化器系にも影響するため、嘔吐や下痢が見られることがあります。

倦怠感

・犬が元気がなく、無気力になることがあります。腎臓の機能が低下すると体内の代謝が乱れるためです。

これらの初期症状は、腎臓の機能が低下することにより体内のバランスが崩れることによって現れます。また、犬心臓病犬甲状腺機能低下症でも同様の初期症状がみられることがあるので獣医の診断がとても重要です。

余命が心配な犬の腎臓病の末期症状

病気がちな柴犬のイメージ画像

病気がちな柴犬のイメージ画像

犬の腎臓病が末期まで進行すると重篤な症状が現れ明確に余命が心配な状態です。以下に末期症状とその理由を説明します。

極度の食欲不振

・腎臓の機能が著しく低下しているため、体内の老廃物が排出できず食欲が完全に失われることがあります。

体重の大幅な減少

・腎臓の機能が低下して栄養が吸収されず、筋肉の衰えや体脂肪の消費が進みます。

ひどい尿毒症

・腎臓が正常に機能しないため体内の老廃物が十分に排出されず毒素が体内に溜まります。これにより、無気力、嘔吐、下痢、口臭、ひどい口臭、倦怠感が生じます。

無尿または少尿

・腎臓の機能が低下することにより、尿の量が急激に減少するか、排尿が全く起こらなくなることがあります。

浮腫や腹部膨張

・腎臓が水分を正常に排出できなくなるため浮腫や腹部の膨張、体重増加が生じます。

脱力感と無気力

・腎臓病が進行すると、犬はエネルギーを欠くため元気をなくし動けなくなることがあります。

末期症状は、腎臓の機能がほとんど失われるため強い症状が現れます。 腎臓は体内の毒素を除去し、体液のバランスを維持する重要な要素であるためです。末期症状が現れた場合、治療の選択肢は限られており、快適な余生を提供するサポートケアが主な焦点となるケースが多いです。

犬の腎臓病や腎不全の原因を知ろう

寝込んでいるゴールデンレトリバーの写真

早期発見や予防のためにも原因を知る必要があります。犬が腎臓病を発症する主な原因は以下の通りです。

高齢化

・年齢とともに腎臓の機能は低下します。老犬は腎臓病のリスクが高くなります。

遺伝的関与(犬種)

・一部の犬種は遺伝的に腎臓病の傾向がある場合があります。例えば、柴犬、レブラドールレトリーバー、コッカースパニエルなどがかかりやすい犬種の一例です。

糖尿病

・糖尿病は腎臓にダメージを与える可能性があります。高血糖の影響で腎臓の機能が低下することがあります。

高血圧

・高血圧が腎臓に与える影響により、腎臓の機能が損傷を受ける可能性があります。

添加物など

薬物、化学物質、家庭用品などによるケミカル物質は腎臓に損傷を与える場合があります。

感染症

・腎臓への感染症が広がっていることで、腎臓への悪影響を懸念する可能性があります。

尿路の閉塞

・尿路の閉塞によって尿が正常に排出されず、腎臓に負担がかかります。

犬腎臓病の原因に合わせた予防法

疲れて寝込む犬のイメージ画像

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次は、犬の腎臓病の原因に応じた効果的な予防方法を以下に詳しく説明します。

○高齢化による腎臓病の予防

・定期的な健康チェックを: 高齢の犬は定期的に獣医師による健康チェックを受けることが重要です。早期の腎臓病の発見と適切なケアが可能となります。

○遺伝的配慮による腎臓病の予防

・ブリーダーの選択を: 犬を購入する際は信頼性のあるブリーダーを選ぶことが重要です。健康診断を受けたり、遺伝的なリスクを考慮したりすることができます。

○糖尿病による腎臓病の予防

・食事管理を: 糖尿病の予防として、バランスの取れた食事を提供し、体重を正しく管理します。

○高血圧による腎臓病の予防

・定期検診:高血圧のリスクがある場合、獣医師による血圧チェックを定期的に行い、必要に応じて治療を行います。

○科学物質による腎臓病の予防

・無添加や自然素材: フードは無添加で栄養バランスの優れたものを。洗剤などケミカル物質が多いものは犬が届かないところへ保管するなど。

○感染症による腎臓病の予防

・予防接種を:犬の予防接種は適切な期間を空け必要な種類を厳選して受けさせることで感染症のリスクを減らします。

○尿路の閉塞による腎臓病の予防

・適切な水分摂取を: 犬に十分な水分を補給させ、尿道が詰まるリスクを減らします。

原因に合わせた予防法は以上ですが、適度な運動や食事管理も大切な予防方法になりますので散歩や食事に関しても配慮してあげて下さい。

犬の腎臓病に関する獣医師の診断と治療

獣医師と愛犬のイメージ画像

腎臓病の治療方針は獣医師の診断に基づいて愛犬の最適なものをチョイスする必要があります。詳細は個々のケースで異なりますが、一般的なものをご紹介します

一般的な診断方法

犬の腎臓病の診断には、獣医師がさまざまな方法を組み合わせて行います。一般的な診断方法は以下の通りです:

○症状などの問診

・獣医師は犬の病歴を詳細に聞き取り、身体検査を行います。犬の食欲、尿量や色、体重変化などの情報を収集し現在の状態を評価します。

○血液検査

・血液サンプルを採取し腎臓関連の数値(クレアチニン、尿素窒素など)を測定します。これにより、腎臓の機能がどれくらい低下しているか判断します。

○尿検査

・尿サンプルを採取し、尿中のたんぱく質、糖、潜血尿などの異常を確認します。また、尿比重や尿の濃縮能力を評価することも行います。

○画像診断

・超音波検査やX線を使って腎臓の形状や大きさや異常の有無を確認します。

○尿濃縮能力の評価

・特定の検査食を摂取させた後の尿の濃縮能力を測定することで、腎臓の機能を評価します。

これらの方法診断を行うことで、獣医師は犬の腎臓病を正確に診断し、長生きさせるための適切な治療計画を立てることができます。

犬腎臓病(腎不全)の一般的な治療方法

犬の病気を診断する獣医師の画像

犬の病気を診断する獣医師の画像

犬の腎臓病の治療方法は、病気の進行具合や原因によって異なりますが、一般的な治療方法には以下のようなものがあります。

○食事療法

・腎臓病では体内の老廃物を排出する機能が低下しているため、腎臓に負担をかけないための特別な食事療法が行われます。 低たんぱく、低リン、高質量、適度なエネルギーなどの栄養バランスを考慮した食事が与えられます。

こちらの犬の腎臓病の食事 手作りレシピとおすすめ療法食に詳細をまとめています。

○薬物療法

・腎臓の機能を改善するための薬物が使用されることがあります。例えば、腎臓に対する負担を軽減するための降圧薬、腎臓の機能を促進するための薬などがあります。

○点滴療法

・腎臓の機能低下により体内の余裕な老廃物や水分が一時することを防ぐために点滴療法が行われることがあります。点滴により体内のバランスを整え、犬の状態を安定させます。

○対症療法

・吐き気、嘔吐、下痢などの症状に対して対症療法が行われることがあります。犬の快適さと健康を守るために必要な措置が取られます。

○その他の治療

・重度の腎臓病では腎臓移植などの手術が検討される場合もありますが、このような治療は高度な専門知識と施設が必要となります。

まとめ

治療方法は犬の状態に合わせて選択されます。 腎臓病は完治が難しい疾患ですが、早期に発見し、適切な治療と管理を行うことで症状の進行を遅くし犬のクオリティオブライフをサポートすることが可能。元気で長生きするためには獣医師の指導の下、定期的なフォローアップと適切な治療を行うことが大切です。

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